災害時に従業員や来訪者の安全を守るには、企業として防災用品を計画的に備えておく必要があります。
この記事では、3日分を目安とした水・食料・毛布などの必要量から、簡易トイレや衛生用品、ライトといった備蓄品の選び方、保管・見直しのポイントまでご紹介いたします。
企業向け防災用品は3日分を目安に備える

大規模災害が発生すると、公共交通機関の停止や道路の混雑により、従業員がすぐに帰宅できない可能性があります。
企業では施設内待機を想定し、必要な防災用品をあらかじめ準備しておくことが求められます。
従業員や来訪者の安全を守るため
内閣府では、企業防災を「従業員や顧客の安全を守る防災活動」と「重要な業務を中断させない、または早期に再開するための事業継続」に分けて示しています。
防災用品の備蓄は、災害時の安全確保だけでなく、施設内で待機できる環境を整え、事業の復旧・再開につなげるためにも欠かせません。
従業員全員分に加えて来訪者分も検討する
防災用品を用意する対象には、正規・非正規といった雇用形態を問わず、事業所内で勤務する従業員が含まれます。
さらに、来社中の顧客やお取引先などが帰宅困難になる場合も想定する必要があります。
東京都のガイドラインでは、外部の帰宅困難者に備え、例えば10%程度を余分に備蓄することも検討事項として示されています。
従業員数だけで判断せず、通常の来訪者数や事業所の立地、建物の規模も踏まえて必要量を算出しましょう。
参考:東京都「事業所における帰宅困難者等対策ガイドライン」
企業向け防災用品の必要量チェックリスト

企業の防災用品は、発災後3日間の施設内待機を想定して備えるのが基本です。まずは、従業員1人あたりに必要となる量を確認しましょう。
| 備蓄品 | 1人・3日分の目安 | 選ぶ際のポイント |
| 飲料水 | 9L | 1日3Lを目安に、長期保存できるものを選ぶ |
| 主食 | 9食 | 1日3食を目安に、調理方法やアレルギー表示を確認する |
| 毛布・保温シート | 1枚 | 省スペースで保管でき、全身を覆えるものを選ぶ |
| 簡易トイレ | 15回分程度 | 1日5回を目安に、便袋・凝固剤・処理袋も用意する |
| 衛生用品 | 必要量 | トイレットペーパー、ウェットシート、生理用品などを揃える |
| ライト・乾電池 | 必要量 | 各フロアやトイレなど、使用場所ごとに配置する |
| 救急用品 | 必要量 | 従業員数に応じた救急セットを用意する |
| 情報収集用品 | 必要量 | ラジオや予備電源など、複数の手段を確保する |
簡易トイレは、成人が1日5回使用する想定で、1人あたり3日分となる15回分程度が目安です。
トイレットペーパーやウェットティッシュ、消臭剤、使い捨て手袋、使用済み便袋の保管場所もあわせて準備します。
参考:東京都「事業所防災リーダー通信2024 Vol.6」
企業が優先して備えたい防災用品
水・食料・毛布に加えて、優先度が高いのが簡易トイレと衛生用品です。
断水や排水設備の損傷が起きた場合、事業所内の水洗トイレが使えなくなる可能性があります。
停電時に備えたライトや乾電池、情報収集のためのラジオ、けがへの応急処置に使う救急用品も必要です。
施設内待機に加えて避難や初期対応も想定し、ヘルメット、軍手、敷物、給水バッグなどを揃えます。
企業向けと家庭用防災用品の違い
必要となる品目自体は、企業用と家庭用で大きく異なるわけではありません。
企業では、多人数分を一括して準備・管理し、発災時に速やかに配布できる体制まで整える必要があります。
来訪者分を含めた数量の算定、各フロアへの分散保管、在庫や期限の一元管理も企業ならではのポイントです。
また、年齢、体調、食物アレルギー、宗教上の食事制限、生理用品など、従業員それぞれの事情に配慮して内容を組み合わせることも求められます。
企業向け防災用品を選ぶポイント

企業向けの防災用品は、保存期間だけでなく、ライフライン停止時の使いやすさや管理のしやすさまで確認して選びます。
電気・ガス・水道が止まっても使えるものを選ぶ
食料は、開封してそのまま食べられるものや、水だけでも調理できるものが便利です。
加熱が必要な食品を備える場合は、発熱材やカセットコンロ、調理用の水もあわせて準備します。
衛生用品も、水を使わずに身体や口元を清潔にできるものを選ぶと、断水時に役立ちます。ライトやラジオは、乾電池式や手回し式など、停電中でも使えるタイプを組み合わせましょう。
保存期間と入れ替えやすさを確認する
保存期間が長いものを選ぶと、入れ替えの負担を抑えられます。ただし、同じ時期に大量の商品を購入すると、交換時期も集中します。
購入時期や保存期限を分ける、通常業務でも使える食品を取り入れるなど、自社で無理なく管理できる方法を検討しましょう。
保管スペースと配布しやすさを考える
多人数分の水や食料は、想像以上に広い保管場所を必要とします。商品を選ぶ際は、1ケースあたりの個数だけでなく、外装サイズや重量も確認しましょう。
個包装や1食単位の商品は数量を把握しやすく、災害時の配布もスムーズです。部署別、フロア別に必要数をまとめておく方法もあります。
食物アレルギーや多様なニーズに配慮する
保存食は、原材料やアレルギー表示を確認し、複数の種類を用意します。
特定の食品だけに偏らせず、調理不要のパン、水やお湯で戻せるご飯、汁物などを組み合わせると、体調や状況に応じて選びやすくなります。
生理用品や衛生用品、持病のある方が必要とするものなど、共通備蓄だけでは補いにくい用品についても社内で確認しておきましょう。
処方薬や個人の常備薬は、各従業員にも携帯・保管を促します。
企業向けにおすすめの防災食品

保存食は、保存期間に加えて、必要な水の量や調理時間、付属する食器の有無も確認して選びましょう。
ご飯、パン、汁物など、味や食感の異なる食品を組み合わせると、体調や状況に応じて選びやすくなります。
【尾西食品】100g尾西のえびピラフ×50袋入り
お湯または水を注ぐだけで食べられる、50袋入りのえびピラフです。スプーンが付属しているため、食器を別に配布する手間を減らせます。
1袋100gで、お茶碗軽く2杯分ほどのボリューム。バターとコンソメをベースにした親しみやすい味わいで、主食の備蓄をまとめて揃えたい企業に取り入れやすい商品です。
【尾西食品】一汁ご膳 けんちん汁×20個
けんちん汁とアルファ米を組み合わせた、1食分の保存食セットです。けんちん汁をアルファ米に注いで調理するため、別に水を用意しなくても食べられます。
野菜の入った温かみのあるメニューは、ご飯だけでは単調になりやすい備蓄食の選択肢を広げてくれます。
20個入りで、人数に合わせた数量管理もしやすいセットです。
【サタケ】マジックライス ななこめっつ 白飯×50袋入り
7年間の長期保存に対応した、50袋入りのアルファ化米です。熱湯なら約7分、水でも調理できるため、ライフラインの状況に合わせて使えます。
原材料にアレルギー特定原材料等28品目を使用していない白飯で、おかずや汁物とも組み合わせやすいのが特徴。幅広い従業員に配慮した主食として備蓄できます。
【サタケ】長期保存パン 卵不使用パンデバー(プレーン) 20個入り1ケース
開封してすぐ食べられる、5年間保存対応のパンです。調理用の水や食器を必要とせず、1個あたり500kcal以上のエネルギーを摂取できます。
卵・乳・アーモンド・大豆を使用していない点も、保存食を選ぶ際に確認したいポイント。ご飯類と組み合わせて備えることで、食事の選択肢を増やせます。
断水時に備えたい衛生用品

断水時は入浴や歯磨きが難しくなり、施設内の衛生環境を保ちにくくなります。
簡易トイレに加えて、水を使わずに身体や口元を清潔にできる用品も備えておきましょう。
【花王】水がなくても清潔セット×12袋入
ドライシャンプーシート、歯みがきシート、フェイス&ボディシート、ウェットシートを1袋にまとめた衛生用品セットです。
文字を読まなくても使い方を把握しやすいデザインで、使用後のシートを入れられる袋も付属。断水が続く施設内で、従業員の清潔を保つために役立ちます。
施設内待機に役立つ防寒・停電対策用品

施設内待機が長引くと、寒さや暗さが従業員の負担につながります。
毛布や保温シートは1人1枚を目安に、ライトは執務室、受付、トイレなど、使用場所ごとに配置しましょう。
エマージェンシーブランケットNEWソフト 20セット
身体を覆って体温の低下を抑える、アルミ素材の非常用ブランケットです。従来のアルミブランケットに比べて使用時の音を抑えたタイプで、複数の従業員が同じ空間で待機する場合にも配慮されています。
20枚をまとめて備蓄でき、毛布よりも省スペース。従業員用の毛布を補うほか、来訪者用の保温用品としても活用できます。
LANTERNCLOCK
日常はデジタル時計として使え、停電すると自動で点灯するランタンです。非常時だけ使う用品ではないため、保管場所を忘れにくく、電源が止まった際もすぐに明かりを確保できます。
弱点灯では最大約3日間の点灯に対応。懐中電灯機能と防塵・防水性能も備え、執務室や受付、共有スペースへの配置に向いています。
必要なものをまとめた防災セット

必要な用品を一から選ぶのが難しい場合は、ライト、保温用品、衛生用品などをまとめた防災セットが便利です。
ただし、セットだけで3日分の備蓄を満たせるとは限りません。内容と数量を確認し、水・食料・簡易トイレなどの不足分を追加しましょう。
緊急防災24点セット
保存水、保存クッキー、ヘッドライト、携帯トイレ、静音アルミブランケット、ヘルメットなどをまとめた防災セットです。
収納バッグには防水性能があり、内側には5L・10Lの目盛りが付いているため、給水バッグとしても使用できます。基本的な用品を1人分ずつまとめて管理したい場合に取り入れやすいセットです。
イス型リュック防災23点セット
リュックとして背負えるだけでなく、待機時にはイスとしても使える防災セットです。ヘルメット、ランタン、保存水、携帯トイレ、静音アルミブランケット、救急セットなどがまとめられています。
長時間立って待つ場面や、床に直接座ることが難しい場合にも配慮された設計。撥水加工されたリュックは、避難や屋外での移動にも役立ちます。
防災士監修 女性用防災17点セット
生理用品、保存水、携帯おにぎり、携帯トイレ、静音アルミブランケットに加え、折りたたみブラシやヘアゴムなどをまとめたセットです。
女性向けであることを強調しすぎない落ち着いたデザインのボックスで、オフィスにも保管しやすい仕様。共通の備蓄品だけでは補いにくい用品を、個別セットとして用意できます。
企業向け防災用品の保管・管理方法

防災用品は、購入して終わりではありません。発災時に取り出して配布できる状態を維持するため、保管場所と管理方法をあらかじめ決めておきましょう。
各フロアに分散して保管する
高層ビルや複数階に事業所がある場合、エレベーターが停止すると、別のフロアから備蓄品を運べなくなる可能性があります。
一か所にまとめず、各フロアの人数に応じて水・食料・簡易トイレなどを分散して保管しましょう。配布作業を軽減するため、個人用の防災セットをあらかじめ従業員へ配布する方法もあります。
保管場所は、避難通路や消防設備を塞がず、災害時にも安全に取り出せる場所を選びます。
数量・期限・保管場所を一覧で管理する
備蓄品ごとに、商品名、数量、保管場所、保存・使用期限、点検日、担当者を一覧にして管理します。部署やフロアごとの人数が変わった場合は、必要数も見直しましょう。
ライトやラジオなどは、保管しているだけでは故障や電池切れに気づけません。防災訓練などにあわせて、実際に使用できるか確認します。
ローリングストックを取り入れる
日常的に使える食品を多めに備え、消費した分を補充するローリングストックを取り入れると、期限切れによる廃棄を抑えられます。
長期保存食についても、期限が近づいたら防災訓練で試食する、従業員へ配布するなど、入れ替え方法を決めておくと管理しやすくなります。
企業向け防災用品を揃え、もしものときに備える
企業向けの防災用品は、水や食料を用意するだけでなく、簡易トイレ、衛生用品、毛布、ライトなどを含めて考える必要があります。
従業員1人あたり3日分を基本に、来訪者や事業所ごとの状況も踏まえて必要量を算出しましょう。保管場所や配布方法、見直しの担当者まで決めておくことで、災害時に使える備えになります。
三越伊勢丹法人オンラインストアでは、長期保存食や衛生用品、防災セットなど、企業での備蓄に役立つ商品をご用意しています。請求書払い・後払い、大口注文にも対応していますので、従業員数や用途に合わせてお選びください。























